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湊馬の目に一瞬強い光を感じたような気がしたけど、湊馬はふっと溜息をつくと、いつも通り。
「シャワーどうぞ。俺の部屋着、置いてあるから。ちゃんと洗ってあるから」
私はマグカップを持ってシンクに立つ。水を流そうと蛇口に手をかけようとした時、後ろから優しくハグをされながらシンクに伸ばした手を握られた。
「動かないで。このまま少しだけ」
少しずつ強くなる湊馬の抱きしめる力。頬に軽くキスすると、体を離す。
「俺、ソファーで寝てるから。安心して」
息を小さく吐く。湊馬に抱きしめられた体が熱い。動揺している自分が嫌だ。左手の薬指の指輪を右手で触れて確認する。
私がシャワーを浴びて出てくると、湊馬はソファーで眠っているようだった。
昔は見慣れていた湊馬の寝顔。
私は湊馬の頬に軽くキスをするとノアの待ってるベットルームに向かう。
その夜は久しぶりにゆっくり眠ることが出来た。
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