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返す言葉の出ないエミーにマリーは不敵に笑う。穏やかで優しかったマリーはもういない。
「エミー、貴女は、実の母親から愛情を貰い、友人もいた。あたしには、何もなかった。東京に出てきてからだってそう。貴女がいい着物を着て優雅に舞っている間、あたしはどんな姿で舞って、どんな思いで生きてきたか、知ってるでしょう」
愕然とするエミーに、マリーはニッコリと微笑み、言った。
「あたしは決めたの。貴女が持っている〝愛〟を、全部奪うって」
私達は、何処で間違えたのだろう。
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