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屋根裏部屋に駆け込んだ恵美子は、布団で眠る母の元に駆け寄った。
「お母さん!」
呼びかけに反応しない母の顔は、裸電球の薄暗い明かりの下でも、もう二度と目は開けない事を恵美子に語り掛けていた。眠るような、死顔だった。
そっと母の手を取った恵美子の目から涙が溢れる。痩せて、骨と皮だけのようになってしまった母の手を頬に添えた。
お母さん、あなたは、幸せだった?
漏れる嗚咽。奥歯を噛み締めて堪えた恵美子の耳を、階下から女の悲鳴が劈いた。バタバタという足音に男の怒声が混じる。
「恵美子! 恵美子は何処に行った!」
「屋根裏に逃げたか!」
足音の向かう先が変わった。
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