ダブル不倫 〜リベンジ〜

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 次の朝、優子は凛華と修一を送り出したあと、ヘアサロンに行った。肩にかかるセミロングの髪をくせ毛風のエアリーボブに変えてみた。結婚以来、ずっと自分で切っていた髪を誰かに切ってもらうことなど、忘れていた。    ――なんて言ってくれるのかしら、畠山さん……。    優子は胸を高鳴らせた。    帰る途中、自宅の近くの小さな三角公園で遊ぶ娘の凛華と畠山の姿があった。凛華が優子の姿を見つけて駆け寄ってきた。遠くで畠山が小さく会釈している。優子も小さく頭を下げた。   「ママ、髪、切りに行ったの?」    凛華の前に優子は膝をついた。娘の頭を優しく撫でる。   「うん、ヘアサロンにね」   「いいな……。凛華もヘアサロンで髪、切りに行きたい。それで、ママみたいにカワイイ髪型にしたい」    凛華の背中まである髪も、優子自身がハサミを入れていた。   「そうね、凛華がもう少し大きくなったらね」    畠山が近づいた。昨夜のキスが甦って胸が高鳴っていた。それは中学生のころ、憧れていたバスケットボール部の部長を見た時に感じていた高鳴りに似ているような気がした。   「こんにちは……凛華……娘がご迷惑おかけしませんでしたか?」   「えっ……、いや……あの……」    畠山の頬が真っ赤に染まる。   「えっ……、畠山さん……?」   「いや、山瀬さん、昨夜の印象とは全然違うので……」    畠山の手がショートカットの自分の後ろ頭をかいた。彼のメガネの奥の瞳が優子の唇に動くのが分かった。   「怖いのよ、女って……」    畠山の目を見た。   「えっ……、あ……いや……カワイイなと思って……」    畠山が直立不動になる。その膝は小さく震えているように見えた。   「……なんてね。昨夜は楽しかったわ。また飲みましょうね」
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