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 昼からはサークルに参加。その後はバイトをしてアパートに帰った。    そして気付いたらスマートフォンでフリマアプリを開いていた。  何してるんだろう。  使うのやめようって決めたのに。  何となく自分が嫌になってきた。  もう閉じよう。それでアプリ消そう。  と思ったけど、その前にちょっとだけ検索する。    バッグ。  最初の大枠だけ選んだから、出てきたのは色々。  新着順。メンズ、レディース関係なく並んでいる。    それを見ていたら、あるものが目に止まった。  絵梨の物になったの同じバッグ。  ブランド物だし量産品なんだから、同じものが出ていてもおかしくはない。  けど、ブランドについては何も書かれてなかった。  コメントには  似ているけど違います、の一文。  どう考えても絵梨が出したとしか思えない。  私から受け取ってすぐ出したんだろう。  計算してるようには見えなかったけど、これで絵梨は儲けたことになる。小遣い程度でもお金はお金。  どういうことなのか、  絵梨に電話をかける。  コール音を聞いて少しは冷静になったけど、なかなか出ないのには苛立った。 『はい』 「私があげたバッグ売ったの?」  速攻訊いた。 『…うん。バッグは何も悪くないんだけど、やっぱり私が持ってるのはどうかと思って』 「本当にそう思ってる? まだ売れてはいないけど、得したと思ってるんじゃない?」  『思ってない。お金のこと気になるなら払うよ』 「…別に良い」  返して通話を切った。  印象悪い。  でもそれはお互いさま。  別にどう思われてもいい。
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