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「おはよ~!」
ビクッ
突然横から声がして俺は飛び上がった。
「え。何その反応~笑笑笑」
「あ、う、うん。おは、よ…。」
挨拶してきたのは小学校のころからずっと同じクラスの女子、あかね。
今年クラス発表を見たときには誰かが仕組んでいるのではないかとしか思えなかった。
「まじかよ⁉9年連続かよっ⁉」
俺はつい大声で言ってしまい、不審げな顔で周りに見られたのだった。
「え、ほんとにどーした?」
その声で現実に戻った俺は下駄箱を隠すようにしてあかねの方を向いた。
「なんでもにゃい。」
あ。
……………………。
きゃはははは
あかねが豪快に笑う。
ハハハ…
あせりを隠すように笑い、耳の後ろを指でかく。
「で?ほんとに何もないの?」
あかねが意味ありげに俺の顔を覗き込む。
「えっ。」
あかねの視線が俺の後ろに向かう。
「そこ。…何か入ってんじゃない?」
ぴくっ
「ほら~。」
冷汗が流れるような思いがした。
「どいてみな!」
俺はあかねに体を押され、無理矢理下駄箱前をどかされた。
「えっ!」
あかねが俺の方を振り向いた。
「手紙だと思ったのに!…いや、こっちの方が面白いか。」
あかねはニヤニヤと俺の方を見てその後少し寂しそうな顔をした。
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