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週明けの月曜日は4時間目に体育がある。その日も西本はボールペンの中に女子生徒が着替える映像を宿して家路を辿っていた。帰宅する道のりが赤と黄色に彩られていて、大通りの端を進んでいく。細い骨が折れるような音を足の裏から感じ、1人寂しく秋を楽しんでいた。わざわざ観光地に行くよりも日常にある紅葉の残骸を踏み締める方が良いと、西本は思っている。見慣れた街並みが赤く色付く、そこが良いのだ。 「西本くん、今帰り?」 背後から落ち着く声が聞こえ、慌てて振り返る。無機質な自転車に乗った理香子は胸元をぱっくりと開けて谷間を露わにしていた。駆ける性の暴力、彼女が隣に着くまで、西本は慌てて前を向いた。 ラベンダーを薄めたようなセーターにカーキ色のミニスカートはぴったりと足に張り付いている。膨らんだ足の隙間からショーツの片鱗が見えるのではないかと、少しだけ期待してしまった。 「学校大変ね、西本くんは部活入ってないの?」 「はい。帰宅部ですね。」 どんな会話を心掛ければいいか分からずに、西本はぽつぽつと答えていった。同級生とですらまともに会話が出来ないのである。俯きながら赤黒い落ち葉を踏んでいく。 分かれ道に辿り着いた。真っ直ぐ行けば白木団地があり、右を行けば自宅がある。理香子はゆっくりと西本の方を見て言った。 「うち、上がっていかない?麗香はこの時間部活動だから。」 一瞬であらゆる期待が胸の中を浸水していく、理香子の肌に触れることができるのではないか、ここはどんな結末になったとしても1歩だけ踏み出してみよう。西本は微笑みを押し殺して頷いた。
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