清純には慣れておりません

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祖父の孝一とって咲子は初孫で、唯一の女の子の孫だった。 目に入れても痛くないほど、咲子を可愛がっている。 咲子のたった一人の良き理解者の孝一は、咲子の両親には見えない所で、さりげなく咲子をバックアップしていた。 「圭子さん、EOCから何か連絡は入ってる?」 ボランティアでこの事業を手伝ってくれている咲子より10歳も年上の圭子は、世間を知らな過ぎる咲子を放っておけず、今の今まで無給で咲子のサポートをしている。 法人といっても職員が数名しかいないこの弱小団体は、ほぼボランティアの人達の熱意によって成り立っていた。 純真無垢でお人好しの咲子の人柄に惹かれている人がほとんどで、咲子様の役に立ちたいと皆、心からそう思っている。 「あ、さっき、堀江さんっていう人から電話がありました。 今日の午前なら時間が空いているって事でしたので、咲子様のスケジュールも聞かずにもうその予定を入れちゃいました。 良かったですか?」
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