清純には慣れておりません

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映司はお茶の水の一等地にある、その咲子様の事務所にタクシーで向かった。 お金がないわりには、すごくいい場所に拠点を構えている事に疑問を抱きながら。 映司は、10分程度で話を終わらせようと思っていた。 多分、スポンサーを探す事くらいしか手伝える事はない。 それに、スポンサーを探す事は明智君にお願いしようと思っている。 彼ほどの情報屋はいないし、どういう企業がこういう慈善事業に興味を持っているか、もう彼の頭の中に入っているだろう。 映司は律儀に10分前に事務所が入っているビルの前に着いた。 今日は顔合わせ程度なので、大した事務書類も持ってきていない。 いや、普段は、紙の書類なんて持ち歩かない。 でも、明智君のアドバイスで、咲子様の話し合いには紙の書類を準備した。 相当のアナログなのか、コンピュターに疎いのか、でもそれは何となく納得できた。 だって、ひな壇のてっぺんに座っているお雛様だから。
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