清純には慣れておりません

21/33
前へ
/247ページ
次へ
映司は部屋を見回し、とりあえずソファに座った。 …訳が分からない。 どういうことなんだ? 俺に探してもらいたいのか? それともさっき見えてたものは、やっぱり着物を着た幽霊か? 映司はとりあえず黙って座って待った。 すると、窓の近くのついたての方で、かすかに物音が聞こえる。 映司はそのついたてをジッと見つめ、そして、少しずつそこに近づいた。 咲子はついたてに隠れて、必死に髪を整えていた。 着物に関してはもう諦めた。 でも、帯だけは解けないようにきつく結んだ。 本当は太鼓帯にする予定だったけれどどうやっても上手くいかず、結局は浴衣の時に巻く、多分あんな感じに仕上がっていると思う。 でも、髪だけは和装に合ったスタイルにしたい。 そこを妥協できない自分が本当に情けなくなる。 だって、さっき、EOCの方に姿を見せた時は髪は下ろしていたのに、次に現れた時はアップになってるなんて、どう考えても滑稽極まりないから。
/247ページ

最初のコメントを投稿しよう!

933人が本棚に入れています
本棚に追加