清純には慣れておりません

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それから、映司は直立不動で立っている咲子様の顔を改めてジッと見た。 どういうわけか顔も首も真っ赤になっている。 でも、その何とも言えない可愛らしい顔に、視線が離せない。 さっきの心臓のそわそわがぞわぞわに変わるのが分かった。 「あ、ごめんなさい。 続きの自己紹介をどうぞ」 映司は目をパチクリさせている咲子様をずっと見ていた。 何というか、滑稽というか天然というか、見ていて飽きる事がない。 額と鼻の頭の玉の汗も、蝶々結びの出来損ないの帯も、真っ赤になっている真っ白い肌も、何もかもが愛おしいと思った。 この感情の行きつく先は、まだ俺には何も分からないけれど… 咲子はこの場から消えていなくなりたいと思っていた。 この名前もまだ何も知らない究極のイケメンは一体何者なのだろう。 背が高く足も長く、短く整えられた髪はワックスで無造作にセットされていて彫の深い西洋人のような顔をしている。 咲子の周りにはあまりいないタイプだった。 だからなのか、あまりに素敵過ぎて胸のドキドキが止まらない。 そして、咲子の忘れていた髪飾りはさりげなく咲子の髪に収まっている。 そのスマートな立ち振る舞いに、咲子は感動すら覚えていた。 …何て素敵なの。
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