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き、君？？
咲子はこの映司のフランクさにどう対応していいか分からない。
「あ、それと、ちょっといい？」
咲子が返事に戸惑っていると、映司は咲子の後ろに回って咲子にソファに座るように肩をトントンと叩いた。
「ちょっとだけ直させてほしいんだ。
せっかく可愛くて綺麗なのに…
この髪形さえ少し直せば世界一のお雛様になるよ」
お雛様？？
咲子は意味が分からないまま、その映司のされるがままにしていた。
「女の人の髪をいじるのは結構好きなんだ。
でも、好きなだけじゃないから。
かなりの腕前だと思うよ」
咲子は頭上で話す映司の吐息を感じていた。
私の髪を丁寧に優しくセットしてくれるこの人は、本当に何者なのかしら？
映司はセットを終えたのか、咲子の頭の上でヒューと口笛を鳴らした。
「今度は僕の前に立って」
映司はそう言うと、今度は咲子を自分の前へ立たす。
そして、咲子の胸元の襟をちゃんと整え、咲子の目を見てこう言った。
「この帯、僕がちゃんと結んであげる。
大丈夫、その奇想天外な結びを変えるだけだから」
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