イケメンエリート、初めての純愛??

天然と純粋の違いが分かりません

映司は精一杯の作り笑顔で二人に応じた。
明智君には、無言の圧力でさっさと消えろと目で合図する。

「あ、じゃあ、僕はこれで失礼します…」

明智君は急によそよそしく頭を下げた。

「明智さん、あの、後でお礼をさせていただいてよろしいですか？
本当に助かりました。
ありがとうございます」

明智君は映司の方をちらっと見る。

「お礼なんて大丈夫ですよ。
当たり前の事をしただけですから」

明智君に代わり映司がはっきりとその申し出を断った。
目では早く行け！と明智君を威嚇しながら。

映司は咲子が明智君を見送る目にも嫉妬してしまう。
というか、嫉妬という言葉の意味を初めて体感した。
今の俺は嫉妬と自制心を天秤にかけたら、かなりのふり幅で嫉妬が勝ってしまっている。
何だか分からないこのふわふわした気持ちに、今の段階でぐったり疲れている俺がいた。

咲子はそんな俺を清々しい目で見つめている。
自分が迷子になった事なんか、もう完璧に忘れているに違いない。

多分、俺は、今、咲子様に振り回されている。
この俺が？

でも、何だかそれが心地いいなんて思う俺もいて…
咲子様の訳の分からないほんわかビームは、完全に俺のハートを射止めてしまったらしい。