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「私は幼い頃から時別な教育を受けてきました。
でも、それは私にとって人としての一つの財産になったので、別にそんなに嫌なものでもなかったのですが。
18歳を過ぎた頃から私の私生活に様々な制限が加わり、もう息をするのも苦しくなってきて、それで一人暮らしを強行したんです」
「強行??」
映司は更に身を乗り出して咲子の話を聞いた。
これから先の二人の未来にどういう壁が立ちはだかっているのか、それを知る事に少し緊張しながら。
「はい、あ、でも、実は一人私の味方がいてくれて…」
「おじい様だね?」
咲子は目を細めて嬉しそうに頷いた。
「祖父は、私の境遇を可哀そうに思ってくれていました。
でも、祖父以外の家族は、最高に光栄なプレゼントをもらったみたいに喜んでいましたけれど」
…お妃候補の話だな。
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