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「咲子ちゃんはもう大人の女性なのに、夜は8時半までしか遊べないって、それは拷問と一緒だよ」
映司の口から出た拷問という恐ろしい言葉に、咲子の顔が曇った。
映司はそれだけで、自分を打ちのめしたくなる。
「ごめんね、ひどい言葉使ってさ」
「いいんです…
これが私の運命なのだと思うしかないんです。
今のこの状態が、私が必死に手に入れたささやかな自由なので…」
映司はとっさに咲子を抱きしめた。
どうにかしてあげたい、いや、絶対にどうにかしてやる。
本物の自由を咲子に与えてあげたい。
映司は咲子を抱きしめたまま、咲子の耳元でこう囁いた。
「咲子ちゃん、俺は咲子ちゃんと一緒にもっとお茶を楽しみたい」
咲子は肩をすくめて首を横に振った。
「ちょっと強硬手段だけどさ、咲子ちゃんの家でお茶しよう。
咲子ちゃんの家のリビングにはカメラはないんだろ?
じゃ、大丈夫だよ。
俺に不可能はない。
俺はもっと咲子ちゃんと一緒にいたいんだ…」
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