この試練、乗り超えてみせます

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映司の中で恐れなど何一つない。 このひな鳥のような咲子を早く大空に羽ばたかせたい。 彼女を自由にできるのは俺しかいない。 そして、彼女のこれからの未来は、俺が全責任を取る。 それは映司の中に芽生えた最大級の決意だった。 映司は咲子を連れて、咲子のマンションまでタクシーで向かった。 映司はそのマンションを見て、ふぅとため息をつく。 何だかんだ言っても、彼女は究極のお嬢様に違いない。 マンション自体は年季の入った新しい物ではないけれど、場所が完璧だった。 逆に、この場所に、今は住居用マンションを建設することはできない。 それほど価値のある都内の一等地に、咲子の祖父所有のマンションは建っていた。 二人はタクシーの中で、これからの段取りをちゃんと話し合っていた。 咲子は何度も映司に確認を取り、自信がない事柄は持参のメモ帳に丁寧に箇条書きし、そして、一足先にタクシーを降りた。 まずは、先に咲子が家へ帰る。 それも普通に、いつもの日常と何も変わらずに、緊張せずに。
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