この試練、乗り超えてみせます

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しかし、残念な事に、咲子はガチガチに緊張していた。 こんな門限破りなど今までの人生で初めてだ。 でも、映司さんにそう言うと、門限は破らないから大丈夫だと笑うけれど… 咲子は門限の10分前にはマンションの正面玄関のオートロックを開け、エントランスに入る事ができた。 そして、いつものようにエレベーターに乗り、4階のフロアまで向かう。 そこへ着いてからが難関だった。 咲子はエレベーターを下りたところで、さっき書いた自分のメモ帳を確認する。 まずは、普通に家へ入る。 そして、いつも通り寝室へ入り、いつもの部屋着に着替え、いつもように実家へ電話をした。 「お母さま、咲子です。 今、帰ってきました。 今日はEOCの堀江様と打ち合わせ等があったので、今のこの時間になりました」 毎日の事なので、実家の母との会話はこんな風にシンプルなものだ。 そして、電話を切った後、咲子はもう一度メモ帳を確認する。 その一連の用事を済ませたら、映司に電話をすると書いてある。
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