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「明智君、例の件なんだけどさ、明智君の見解はどんな感じ?」
映司の唯一の理解者でスーパーコンピューター以上の頭脳を持つ明智君に、映司は甘えた声でそう聞いてみた。
EOCの中心となって働く映司の頭脳を酷使しても、咲子のお妃問題は難解だった。
その理由は、情報量の少なさだ。
咲子でさえ、実は本当のところは何も知らない。
そんな中、映司は強硬手段で咲子の実家へ乗り込んでいいものか迷っていた。
「この件に関しては、調べる事に限界があると感じています。
それは、一般市民が一番触れちゃいけない事柄だからです。
様々な文献や見識者の話を読んだり聞いたりしても、決定的な真実は見えてこない。
ある意味、全てがぼやけている。
情報量が少ないという段階で、全てが憶測になってしまいます」
映司もそれは感じていた。
日本人にとって尊い象徴の皇族の人々の常識は、一般市民の常識とかけ離れているのではないかと。
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