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第三章 ソー視点 突然の来客が運んできた・・・
「うぁあ!!!」
「へっ?」「えっ?」
突然ギルドの入り口辺りから大声が聞こえ、俺達は飲んでいた紅茶を吹き出しそうになる。
とりあえず口の中に入っているものを飲み込んで、大声がした方へ向かった。
しかし、俺達はギルド入り口の光景を見て、今度は胃の中のものを全部吹き出そうになる。それほど衝撃的な光景だった。
「・・・あの・・・
このモンスターの亡骸・・・引き取ってくれませんか?」
見た事のない男が背負っていたのは、ギルドの入り口よりも大きなモンスター。『人面蝶』の亡骸だった。
人面蝶は、最近ギルドに登録されたばかりの新種モンスター。顔が人間の個体もいれば、翅が人間の悲鳴顔の様に見える、まだ解明が進んでいないモンスターの一種。
人面蝶の大きさは個体にもよるけど、メイル国の西に位置する村を荒らしていた人面蝶の大きさは、ドラゴン並だった。
村近くの森を住処として、村にある農作物や家畜を食い荒らし、子供が拐われたまま、戻って来ない事案も発生。
俺達兄妹にもその依頼が回って来る『予定』にはなっていたが、事前に依頼されている仕事をまず消化させないといけなかった。
そのモンスターに敗戦したハンターの数は数知れず。ハンターの中には、束になって立ち向かうグループも、しっかりと計画を練っていた単独ハンターもいた。
しかし、どんなにハンターが同時に襲っても、どんなに作戦を練ったハンターでも、なかなか倒せなかった強敵。
苦戦を強いられる要因は、人面蝶の大きさも一因だけど、この人面蝶は相当厄介な個体だった。
鋭利な牙で相手に噛みつき、巨大な翅には『毒鱗粉』が多量に付着している。
この毒を吸い込んでしまうと、数分で呼吸困難、意識が朦朧となる。毒に侵された人間が弱った途端、人面蝶の餌食となってしまう。
その人面蝶は人間も捕食してしまうほどの雑食で、もう村は人が住める場所ではなくなった。
村人達が全員避難できたまでは良かったけど、最近、その人面蝶は獲物を求めて、別の村にも出現するようになったらしい。
このままではいけないと、国の軍も総出で討伐に向かっても、撃退できたのみで、倒すまではできなかった。
撃退して、一時は平穏になったけど、すぐにまた村々に姿を表すようになってしまう。
このままでは被害が出るばかりで、無駄な労力とお金がかかってしまう。しかし、どう策を練っても、その人面蝶を倒せずにいた。
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