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とりあう、とりあう。
王様は、ほとほと困り果てておりました。
四人の王子たちは、今日も今日とて喧嘩ばかり。自分こそが跡継ぎに相応しいのだ、と殴り合ってばかり。ちっとも手を取り合ってくれる気配がありません。
今、この国はとても貧乏で困っています。
今は跡継ぎを誰にするかということよりも、みんなで一致団結して食料問題を解決するべき時なのです。四人の兄弟たちは国のそれぞれに自分達の“街”を持っています。Aの町は水が、Bの町は土地が、Cの町は種が、Dの町は人が足りません。それぞれを上手に分け合えば、この貧困問題は解決します。しかし、兄弟たちが仲が悪いせいで、街の人たち同士もとても仲が悪いという状況です。彼らが仲良しになってくれなければ、全ての街が滅び、国もまた滅んでしまうことになります。
――こうなっては、仕方ない!
王様は心を鬼にして、決断することにしました。それは。
「お前達、こうして手を取り合って、街を収めてくれ」
王様は息子のうち二人を殺して、その腕を切ってしまいました。
そして切った王子二人の手をつなぎ合わせて、残り二人の前に見せつけたのです。
「二人がもっていた町は、それぞれお前達に一つずつ分配しよう。そして、お前達残り二人は、“お前達の意思で”こうしてきちんと手を取り合っておくれ。それができないなら、私がお前達の手も強引に“取り合わせて”やらなければならなくなってしまう」
王子二人は震え上がって、こくこくと頷きました。
そしてそれ依頼、互いに協力しあうようになり、街の人々達にも仲良くするように命じたのです。
国は無事、滅びの危機を乗り越えることができました、とさ。
めでたし、めでたし。
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