第一章

5/11
前へ
/20ページ
次へ
 息を切らして、体ももう追いつかなくなった頃、一つの小さな広場にたどり着いた。 そこにはベンチが二つほどあり、他にあるものといえば植物くらいだった。 片方のベンチに僕は腰を下ろした。 見えるもの全てが怖い。 そんな感覚だった。 漠然とする頭の中で、一つだけわかったのは、僕が人間としてではない存在だということ。 それだけだった。 頭を抱えた。それでも何も変わらないのはわかりきったことだ。 それでも、胸の窮屈さを感じないようにするにはそれしかなかった。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加