勇者かげきはになる! ~ 毒ガスとマシンガン

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勇者かげきはになる! ~ 毒ガスとマシンガン

ユーラッシャア大陸は中央の大きな岩山にさえぎられた 西と東に分かれた大陸だ。 西の北はロマミヤ城が、西の南は砂漠のイシス城が 支配していた。 西は広大な草原が延々と広がる中に ときどき森と岩山のある地形だ。 勇者達は城の北の広大な草原を進んでいった。 「未来人!未来人!早く早く! 新装備早く出してよ!」 「でんげきのけんやけん銃で勝てませんか? あ、ほら。モンスターの群れが見えて来ましたよ。 もうすぐ準備出来ますから倒してください。」 「わかったよ。早くしてね。」 勇者は振り返ると、でんげきのけんを空にかざした! 目の前に迫ってきたモンスターに雷が降り注いだ! モンスター全員に80のダメージ! 巨大いもむし、巨大ガニ の群れは 黒こげになって、全滅した! 経験値30、ゴールド80を手に入れた! 「あー、早く使いたいナー。 雷だと目の前までモンスターが来るから 怖いなー。こっちがケガして死んじゃうかも!」 勇者が小さな子供のように せかしながら、村へ進んでいた。 すると、村が見えてきたが 村の周りを大量のモンスターが囲んでいるようだ。 勇者一行はみんな驚いた様子で村とモンスターの集まりを見ていた。 これは何事だろうか? 「うーむ、わしもあまり見たことが無いんじゃが、 魔王の幹部が率いているなら、ありえないことじゃないかも しれんのぉ。」 「ええっ!いきなり幹部?」 「そうじゃ。モンスターは野生では統率を取れることは ありえないんじゃ。 せいぜい、野生のモンスターだと少数で村を滅ぼすぐらいなんじゃ。」 「幹部はさすがにまだ勝てないんじゃないの? 未来人999、新装備早くして!」 勇者達が揉めていると、早々に敵の幹部が気づいたのか、 大量のモンスターの群れがこちらに進んできた。 群れの先頭には黄色いデビルのようなモンスターが見える。 しかも、飛んでいるようだ。 あわてた様子で勇者は大魔道師に聞いた。 「じい!じい!あのモンスターは何? 勝てる?幹部でしょ?」 「じいじゃない、やんじゃじゃ! あのモンスターはサンダーデビル。 雷属性の悪魔じゃな。魔王の魔力で動く魔物じゃ。 でんげきのけんでは厳しいかもしれんの。」 ならば、急いで新装備を出してもらわねば と未来人999に声をかけた。 「未来人!未来人!けん銃外したら、 みなごろしにされちゃう! 新装備まだ?」 「もう少し待ってください。 今弾を込めているところです。 勇者さんが、先にけん銃で弱らせてください。」 「ええっ!マジ!」 勇者は手元が震えながらも、200mほど先の悪魔に けん銃を撃った。 バンッ! バンッ! バンッ! バンッ! バンッ! バンッ! しかし、距離が遠すぎて 狙いが定まらない。 けん銃は外れ続けた。 弾が切れたので、あわてて弾を 詰め替える。 そして、撃つ。 悪魔は残り100mぐらいの距離だ。 人が走るより高速で迫ってきた。 バンッ! バンッ! バンッ! バンッ! バンッ! バンッ! 弾は6発中の5発が外れた。 1発がかすったが、たいしたダメージでは 無さそうだ。5-10ダメージ程度だろうか。 詰め替える弾はもう手元には無い。 勇者は後方の荷車に走った。 「やばいぉ!死んじゃう! 僕らみんな死んじゃうぅ!!」 あわてる勇者に仲間達は あきれた目で見る中で 未来人999は落ち着いて 目前に迫る悪魔に新武器で狙いをつけた。 「落ち着いてください。 準備出来ましたからね。」 そう未来人999が言うと、 大きな鉄の固まりの新武器は 高速で銃弾を撃ちだした! バララララララララララララララ!! 2秒ぐらいで弾を撃ちきったようだ。 黄色い雷のモンスターは空中に動きが止まり、、 そして、目の前に墜落した。 ピクリとも動かないようだ。 ダメージを負う間も無く、絶命した。 恐る恐る近づくと、モンスターは 銃の穴だらけになっていた。 一瞬で100発か200発かの 銃弾を撃ち出したのか? 勇者は驚いて尋ねた。 「この新武器は銃の弾を大量に 撃ち出す武器か?すごいな! 幹部みたいなモンスターが即死じゃん!」 「この武器はガトリングガンと呼ばれる武器です。 専用の銃弾を使うので、弾の種類は違いますけどね。」 「じゃあ、残りの雑魚を掃除お願いね! 早く弾を補給してさ。」 「弾を一気に撃ち出す武器なので、 無駄撃ちしやすいですね。 あ、ほら、ボスを倒したら モンスターが逃げ出してる。」 ボスがやられたのを見るなり、 モンスターの群れは逃げ出しているようだ。 散り散りになろうとしている。 ここで大魔道師やんじゃが あやしい鏡を出してきた。 「わしの出番じゃな! この鏡を太陽の光を集めてモンスターに 向ければいいぞ。」 オオオオオオ・・・ 鏡は鬼のお面のようなものが上に付いていて 怖い声を出している。 勇者の仲間達はのろいのアイテムのような 鏡にびびっていた。 「やんじゃちゃん、このアイテム大丈夫なの?」 ヒーラーまりこがそう尋ねると、 「アイテムだから、大丈夫じゃ。 使っても呪われはしないぞ。 ほら、さっさと太陽の光を集めないと モンスターが逃げちまうぞい。」 そう言うと、大魔道師やんじゃは 太陽の光を鏡の真ん中に集めて、 モンスターの群れに向けた。 太陽の白い光が、紫のあやしい光に 変わる。その光が横に拡散しながらも モンスターの群れに当たった! すると、モンスターの群れはまとめて 動きが止まった! 「ほら、効果があったじゃろ。 早く蹴散らして来るんじゃ。」 「遠くから撃っても、弾の無駄使いなので 近くで勇者さんのでんげきのけんで始末した方が 良さそうですね。」 そう2人に急かされたが、勇者"ああああ" は否定した。 「いやいや、こんなにモンスターが集まってるじゃん! ガトリングガンで一気に始末しないでどうするの!」 そう言うと、ガトリングガンを積んだ荷車を押すのを珍しく手伝い、 急いで モンスターの近くに運んだ。 「よっしゃあ!一気に始末するぞー!」 鏡の呪いで動かなくなっているモンスター達。 巨大いもむし、狼男、巨大ガニ、斧を持った変態、 巨大なハチ、ハンマーを持った小人、 呼び寄せられたのはこの付近のモンスターか。 勇者が数mまで近づいて、 ガトリングガンのハンドルを引くと、 バララララララララララララララ!! と音を立てて、数十匹のモンスターの群れが 血を撒き散らしながら一瞬で数mほど吹っ飛んだ! 近くなので、モンスター達の返り血が大量に飛んできた。 血の色は赤色や紫色や緑色で人間とは違う。 「おーし!じゃあ、反対側の群れに向けて そっちも始末!」 バララララララララララララララ!! またも吹っ飛ぶ数十匹のモンスター達。 モンスターの群れの 返り血を浴びながら、ニコニコしてる勇者。 すぐに弾が切れるが、荷車にいくらでも残弾がある。 興奮気味に勇者は弾をガトリングガンに補給する。 ヒーラーまりこと歌人せいやは少し引いているようだった。 そして、撃ち始めて5分としないうちに モンスターの群れはほとんど壊滅した。 「おーし!モンスターを始末したから、 村に入って、風呂に入れて貰おう!」 血まみれの服で血まみれのガトリングガンを積んだ 荷車を押しながら、勇者は 引いている仲間を連れて 村に入って行った。 大きなガトリングガンと 血だらけの服を見て、 こちらを見ている村人も 怖くて引いているようだった。 「いらっしゃいませ!勇者様達ですか? モンスターを倒してくれて助かりました! さぁ、宿でお怪我を治してくださいませ。」 村長がそう声を掛けてきてくれたので、 予定どうりにやっかいになることにした。 あっと言う間の決着で、まだ昼過ぎの時間だった。
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