待ってる。

12/13
前へ
/13ページ
次へ
15年後… 「ねぇー、ママ。」 「なーにー?」 私はそういって、無邪気に微笑んだ我が子こと、琴羽に問いかける。 「あのね、今日はね、これをね、かいたの。」 そういって、琴羽が渡してきたのは一枚の絵だった。 「あら、上手にかいたわね」 私がそういうと琴羽は屈折なく笑った。 そんな琴羽の頭を隣から伸びた大きな手がわしゃわしゃと撫でた。 「琴羽は、絵の才能があるなー。」 そういって君はあの頃の様に無邪気に笑った。 あの事故の日から三年後、君は目を覚ました。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加