その少女

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「理央ちゃんは……読書とか好きそうな子ですね」 「そうだな」 理央が図書室に籠もって、ひたすら本を読み漁っている姿がありありと目に浮かぶ。 「そう、ですね。いわゆる、本の虫とでも言うのでしょうか。 ジャンル問わず本と名の付くものは色々と目を通しているみたいです。 小難しくて分厚い本なんかも読んでいたので……それもまた、周囲から浮いてしまう理由の一つかもしれませんね」 「読書かぁ。最近してないなぁ……。きっと理央さん、勉強できたんじゃないですか?」 読書好き=勉強ができるというのは偏見だろう。 「まぁ、そうみたいですね。三者面談の際に、担任の先生からお話を伺ったのですけど、全国模試で20位だったとか」 「えぇー! すごぉーい!」 (おいおい。マジかよ……。お前、凄い奴だったんだな) 写真の中の笑顔でピースしている理央に、心の中で話しかけた。 「塾とか通ってないんですか?」 「いえ、通わせてませんよ。 本人は、『読書の時間減るから嫌』の一点張りでしたし、私も旦那もそこまで勉強に力を注いでいるわけでもないので」 「それなのにそんなに良い成績を取ってるんですか!? 凄いですねぇ……」 女性2人がなごやかな雰囲気で会話を進めている。 このまま依頼の件、有耶無耶にならないだろうか。と最低なことを思っていたのだが。
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