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 アホみたいな話。  だけど、なんというデフレスパイラル。  悔しさがなにより先に立つ反面、恥ずかしさがあってのことだろう。同僚は揃って泣き寝入りした。  さばさばとした性格の先輩からは、「理沙は気をつけなよ」と忠告され、目に入れても痛くないくらい可愛い可愛い後輩からは、「理沙先輩は同じような目に遭わないでくださいね……」と警告された。  なのに今、ひっとらえられてしまっている私は馬鹿なのだろうか。  いや、馬鹿だ。  警戒心はあったものの、促されるままに言うことを聞く格好で、乗車してしまったのだから。でも、社長の息子という肩書きがある以上、打ち合わせがあると言われたら出向くしかない。車にだって乗るより他にない。選択肢なんて一つしか用意されていなかったことも事実なのだ。  ハンディカメラをかまえているこせがれが、私の自慢のGカップにレンズを近づける。「いっひっひ」という癪に障る笑い方をする。私はとにかく「んー、んーっ」と抵抗する。だけど、なにせ両腕、両脚を拘束されているわけで、だから腕も脚もばたつかせようがないわけで。  涙が出そうになる。ヴァージンというものをそれほど大事にするつもりはないけれど、こんなのあんまりだ。できることなら、初めては大切なヒトにあげたい、捧げたい。
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