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学園祭
やられたなぁ~
明日着るのに今から直すのは無理だろう。
私は裁縫が苦手だ……
誰の仕業かはわかっているが
直接訴えても知らばくれることは
手に取るように分かる。
どうしようかと考えていたら
家庭科の愛徳先生がいた。
『枦川さん』
『愛徳先生』
私に近づき手に持っている
衣装を見て何かを
察してくれたみたいだ。
学園祭は明日から。
作り直すには時間がないし
かと言って、アレンジできる程
センスに自信はない……
これは困った事になった。
『僕でよければ
それ、直しましょうか?』
手を引かれながら
家庭科室に連れてこられた。
『先生、直せるんですか?』
『僕は家庭科の教師ですよ』
そうだよね。
私から衣装を受け取ると
作業を始め、三十分後、
破かれていた裾の部分にはレースが
あしらわれていて破かれる前より
可愛らしくなっていて
他の破れた部分も綺麗に直してくれた。
『先生、ありがとうございます‼』
明日の学園祭は頑張るぞ‼
当日、半日で直ってることに
不思議な顔をしたあいつらを
見て優越感が沸いた。
愛徳先生が直してくれた
服は最初のものより
可愛らしくなっていて内心ウキウキだ♪
交代、時間に愛徳先生に
空き教室へ連れて行かれた。
『よかったです
丈の長さは大丈夫ですね』
そう、愛徳先生が可愛らしく
直してくれた衣装は
長くもなく、短くもなく
ちょうどいい長さだった。
これをきっかけに私達は
仲良くなり、こっそり
アドレスとケー番を交換して
休みの日でも話すようになった。
密かに思っていた相手と
繋がっていることが嬉しい。
学園祭から半年後、
私は愛徳先生の恋人になった。
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