無愛想な猫

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あぁ、なんかめんどくさくなってきた。 もう結局お互い、俺と西川の良い所の言い合いになっちゃってるし。 嬉しいけど、複雑な気持ちだ。 「なんか、ごめんな西川」 ソファーで二人のやり取りを見てた西川に声をかける。 「ぜーんぜん、大丈夫。仲直りしたんだな」 「仲直りっていうか、俺も結局悪い所がなかったわけではないし……」 「はは、藍矢のそーゆーとこが、悠音は好きなんだと思うぜ」 ……ちくしょお。 イケメンだな西川このやろ。 「そういえばさ、俺、妹から最新のテレビゲーム送ってもらったんだ。やる?」 西川には五つ離れた妹がいる。 西川も妹もゲーム好きらしいから、よく一緒にやっていたらしい。 共用スペースにあるテレビは、録画も出来るしDVDも見れるしゲームで遊べたりなど、結構色々な事が出来る。 俺もゲームは好きだから、よく西川の部屋にお邪魔してゲームしたりする。 「やる!!」 「おけ。持ってくるね」 西川が自室へ行き、まだ続いている王子様たちの言い争いに耳を傾ける。 「裸エプロンは魅力的だけど、藍矢が風邪ひいちゃうだろ!見たいけど!見たいけど!!」 ……なんで裸エプロンの話に飛んでるんだ? 「それは、風邪ひかない対策とかすればいいだろ。暖房つけるとか。でも、寒いっていってるのを俺たちの体温であっためるのも良くね?」 「いいな……」 それきり二人は黙ってしまった。 斜め上を向いて、どこか遠い国に意識を飛ばしてるみたいだ。 にやにやにまにまうっとりとした顔は気持ち悪いけど。 ほんと、せっかくの美形なんだからもうちよっと有効活用しろよ。 いらないならその顔面偏差値俺にくれよ。 「藍矢、待たせたー……ってあれ、二人ともどしたの?」 「あぁ、西川。俺たちは今、精神的なセクハラを受けているらしい。あとで一緒に訴えようぜ」 どういう事か分かった様子の西川は困ったように笑った。 「りょーかい」
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