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だだんだんだだん
だだんだんだだん
今、俺の周りにはそんなBGMが流れている。
目の前には、無駄に整った顔立ちの男。
イケメンにそんなに見つめられると怖いんだが。
美形の真顔こええよ。
こいつの名前は和食 悠音。
俺の幼なじみだ。
「おい、悠音。帰るぞ」
仁王立ちして、腕を組んで悠音に声をかける。
そんな俺に、悠音は、目を逸らして答えた。
「なんで俺が藍矢と帰らなくちゃいけないんだよ。てか寮同室だし、一緒に帰らなくとも後で会うからいいだろ」
……。
あ"あ"ン!?!?!?
イケメンで人に冷たい『氷の王子』とか持て囃されて絶賛ぼっち中な幼なじみに声をかけてやってんのになんだその態度はこの野郎。
今ので腹が立った俺(短気とか言わないで泣いちゃう)。
「あーそうですか。もういいよ。一人で帰るもんね。悠音なんか嫌いだっ」
そう言い捨てた俺は、ふん、と顔をそむけ寮に向かう。
だが俺は知っている。
さっきの悠音の言葉は、本心じゃないことを。
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