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わんこ
「あや、あや、これ、すごくおいしい」
「嫌味かこのやろ」
俺たちは、リビングのテーブルを挟んで座り夕食をとっている。
食堂でもいいんだが、悠音の取り巻きが集まってゆっくり食べられないから、俺たちはいつも自室で食べてる。
ここの寮の部屋はすごい。
二人組の部屋は、キッチン、テーブル、ソファー、テレビ、冷蔵庫やお風呂、そして一人ずつの自室がある。
お坊ちゃま学校じゃないのにここまで設備がいいとか、金はあるところにはあるんだなあ。
俺と悠音は、一日交代で家事の色々を分担してる。
今日は、俺が料理担当だった。
でも、料理に関してだけは、ずっと悠音の担当の方がいいと思うんだ。
だって、オムライスしか作れない俺に対し、悠音はさまざまなジャンルの料理ができ、アレンジもこなす。
某速水〇こみちだってびっくりの料理のお手前だ(知らんけど)。
結局俺が担当の日は全部オムライスなのだが、悠音はおいしそうに食べてくれるので嬉しい。
でも悠音の方が上手く作れるんだから嫌味にも聞こえる。
今の悠音には、王子様オーラなど微塵もない。
しっぽを振りまくるただの大型犬だ。
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