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ていうかなんで悠音を睨まなきゃいけないんだよ。
そりゃあ悠音はモテるけど、あいつは陽樹みたいに女子と仲良くしてないし。
いや、陽樹もほんとは仲良くしてないけどね。
西川から俺の朝の出来事を聞いた陽樹はめんどくさそうな顔をした。
「えー相変わらずめんどくさいねー悠音」
陽樹の言葉に苦笑いする西川。
「一匹狼キャラが仇になったね。迂闊にこっちに話しかけられないし」
一匹狼っていうより一人王子様じゃないか。
いや語呂悪いけど。
「昼休みにでも呼び出して話せばよくない?」
「陽樹、西川と同じこと言ってる……」
「えー?嬉しいなっ、やっぱりあきちゃんと俺は幼なじみだからどうたらこうたら」
語り出したので聞かないことにする。
「9割悠音が悪いと思うけど、残りの1割は藍矢が悪いよ?」
「そりゃあ……分かってるけど……」
怒ってもないのに、面白がって怒った演技をしたのは悪いと思ってるけど。
「でもなんか、素直に謝りたくないっていうか…」
ぶつぶつ言う俺に、西川は笑う。
「まあ藍矢から声かけなくても、悠音の方から動くと思うけど」
「僕もあきちゃんの意見に同意ー」
いつの間にか語り終えてた陽樹も手を上げる。
「うん……」
とりあえず、昼休みを待とう。
そして、悠音が一人だったら声をかけようかな。
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