恨み

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 周りの仲間らしき人物に話を聞いた限りだと、どうやらこの世界線の俺は『戦士』というジョブに就いていたらしい。  魔物との戦闘なんて初めてだった俺は、この後の魔物討伐で味方の足を引っ張りまくった。この世界線の俺だったら上手く戦えていたのだろう。  この世界に来て数日が経った頃、俺は一つの考えを思い付く。  この世界には『召喚魔法』というものがある。別の世界から生き物を召喚し、戦わせる魔法なのだと召喚魔法を使える仲間から聞いた。  俺は、召喚魔法の説明の『別の世界』という言葉にピンときた。  俺はこの召喚魔法を使って、市川をこの世界に呼び出そうと考えたのだ。  パラレルワールドにいる者に有効なのか分からないが、やってみる価値はありそうだ。  待っていろ市川! 召喚魔法を覚えたら、俺は何としてもお前をこの世界に呼び出して、お前を殺してやるからな!!  そして、市川を殺した後は知恵をこの世界に呼び出すんだ!  そしたら知恵……。この世界で俺とまた付き合おう。 【終わり】
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