恨み

6/15
前へ
/15ページ
次へ
 ……待てよ? 俺はそのヤバイ方の俺と多分入れ替わりでこの世界に来ちゃったんだよな? ってことはつまり、俺のいた世界にヤバイ方の俺が行っちまったってことじゃねぇか!  まずい! 早く元の世界に帰らないと大変なことになる! ヤバイ方の俺に俺の人生を荒らされてしまう!  とりあえず、俺はこの自転車に乗って学校に行くことにした。学校に元の世界に戻る手掛かりがあればいいのだが……。  視界に入ってくる数々の建物。建っている建物の種類が俺のいた世界とは微妙に違っているように感じた。  ヤバイ方の俺が通っている高校は、俺の通っている高校と同じ位置にあるのだろうかと、少し不安になりながら自転車を漕ぐ。  しばらくすると、特に何事も無く学校に着くことが出来た。  谷部江(やべえ)高校。ここが俺の通っている学校だ。  自転車を駐輪場に止め、下駄箱に行く。  いつものように上履きに履き替えようとしたら、あることに気付いてサッと手を引いた。  なんと、俺の靴を入れる場所が違っていたのだ。  なんとか自分の靴を入れる場所を見つけ、上履きに履き替える。  靴を入れる場所が違っていたということの他にも驚くことがあった。それは、下駄箱に貼ってあるラベルに知らない名前が沢山あったことだ。  ただでさえ人見知りなのに、また新たに誰かと接しなきゃいけないのかと思ったら緊張してきた。  緊張モードで俺は教室に向かう。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加