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恥ずかしさでヤバイ状態になっていると、前に座っている男子が話し掛けてくる。知らない男子だ。
「お前さ、もしかしてなんだけど『イメチェン病』にかかっちゃったのか?」
「イメチェン病?」
イメチェン病という謎の言葉に俺は首を傾げる。すると、男子は驚く。
「うわ! その反応は知らねぇってことだな!? イメチェン病のことを知らねぇってことは篠原もイメチェン病にかかっちまったのか!?」
その男子の言葉が聞こえていたのか、周りのクラスメイト達がザワつき出す。
「これで四人目だよ……。どういうことなの? イメチェン病ってウイルスで発症する病気じゃないんでしょ? 何でこの短い期間で四人も病気にかかったの?」
「そもそもイメチェン病は俺達が考えた病名だからな。病気なのかすら怪しいぜ。身体には特に異常が無いらしいし……ったく。どうなってんだ? ウチのクラスは……」
イメチェン病って言葉はどうやらクラスメイト全員が知っている言葉のようだ。
「な、なぁ。イメチェン病ってどういう病気だよ」
人見知りの俺が勇気を出して聞くと、前にいる男子が答えてくれた。
「イメチェン病ってのは、イメチェンをして来ると共に言動がおかしくなる病気のことだ。さっきのお前のように席を間違えたり、クラスの皆が知っているはずのことを知らなかったりしていたことがまさにその病気の症状なんだ」
「なるほど……」
確かこの病気にかかったのは四人目とか女子が言ってたな。ということは俺の他に三人、世界線を移動してきた者がいるということか。
「今イメチェン病にかかってる四人の中で、二人は学校に来なくなっちまったんだ。俺達と話が噛み合わなくて居づらくなったんだろうな」
「そ、そうか……」
「それにしてもお前の変わり様は凄ぇな。アフロじゃねぇし、語尾に『にゃ』って付けてねぇし、大人しいし、全然ボケねぇし」
「……」
この世界の俺マジでヤバイな!!
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