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朝のホームルーム、そして、一限目の授業を終えた後の十分休憩の時に、一人の女子に『話があるの』と言われ、廊下に呼び出された。
綺麗な長い黒髪。大きな瞳。良い感じの鼻と口。パーツがメチャ整っていた。俺の通っている高校にはこんなキャワイイ女子はいなかった。
緊張しながらそんな女子の後を付いていく。
すると、廊下の人があまりいないゾーンで女子が足を止め、話をし始める。
「君も、イメチェン病なんだよね?」
「う、うん。そうだけど……『も』ってことは君も?」
「うん、そうだよ。今あの教室には私しかイメチェン病の人がいなくてね。他のイメチェン病の二人は不登校になっちゃって……。心細くて君に話し掛けたの」
俺と同じ境遇の人がこうやって話し掛けてくれたのは嬉しかった。まぁ、緊張するけど。
「そ、そうだったんだ。お、俺も心細くて、君が話し掛けてくれて嬉しかったよ」
「そう思ってくれると私も嬉しい。でね、ちょっと確認したいことがあって……」
「何?」
「君も別の世界から来たの?」
「……うん、そうだよ」
「やっぱりそうだよね? 別の世界での記憶があるんだよね? 皆にね、別の世界から来たって言ってもイマイチ信じてくれてる感じがしなくて、終いには病人扱いされちゃってちょっとショックだったんだ」
「そうなんだ……。イメチェン病ってネーミングにはちょっと笑ったけど」
「ふふ、私も。……ねぇ、君。名前、なんていうんだっけ?」
「篠原 勇気だ」
「私は赤坂 知恵っていうの。よろしくね」
「よろしく」
俺達は握手を交わす。その後に、同じ境遇同士仲良くしたいとのことで、連絡先を交換して教室へと戻った。
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