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薄いピンクのダブルカフスのワイシャツに、3ピースのダークグレーのスーツを合わせた茶髪の男が、
今まさに満員電車の中で、若いOLのスカートの下に、自分のスマホカメラを向けようとしていた。
車内のアナウンスで次の到着駅である品川の案内がなされたその瞬間、
背後でその様子を伺っていた男が、茶髪男の腕を捻じ曲げる。
自分のブランドスーツの袖をつかむ男が刑事に違いないと思った茶髪男は、
「痛えって」と小声で叫びながら刑事を振り返る。
刑事と思われる男は、ピンストライプの3ピースに身を包んだ男だった。
品川に到着し、開いたドアを差し、男が言う。
「降りろ」
「刑事か?ずっと見てたのかよ」
「刑事ではない。黙れ」
「おい、どこへ連れて行く気だ」
「黙れって言ってんのが聞こえねぇのか?」
刑事と思われた男は、茶髪男の腕をつかんだまま、男子トイレの方向に向かって歩く。
そしてベビーチェアが備え付けられた大き目の個室のドアを開け、茶髪男を押し込んだ。
「おい、お前刑事じゃなきゃ何だ。ホモなのか?」
騒ぐ茶髪男を無視したまま、男は個室をロックする。
「誰だよ。何しようとしてんだよ。俺は男に興味はねぇ」
「俺の名は、司」
と言うが早いか、司は茶髪男の右頬にパンチを下す。
茶髪男はよろめき、狭い個室トイレの壁際に飛ばされた。
そのジャケットのラペルを左手掴むと、再び右頬にパンチを食らわす。
茶髪男はパンチを返すべく腕を振り上げるが、その振り上げた腕は空中で司の腕により捕らえられた。
茶髪男はバランスを崩し汚れた床に倒れこむ。
茶髪男のジャケットのラペルが再び司の左手で掴まれた。
ラペルを掴んだ片手で男を立ち上げる。
悔しそうに上目で司を睨むも、気を失う寸前で身体が言うことを聞かない。
司は男の身体を便器に座らせる。
「おい、お前のオシャレなピンクのワイシャツに、お前の汚ねぇ血をつけるんじゃねぇぞ」
頬を二度も殴られ、男の口の端からは血が流れていた。
茶髪男のベストから赤い光沢ネクタイを引っ張り出し、そのネクタイで口の血をぬぐう。
「このワイシャツは俺が頂くぜ。お前の汚らわしい血で汚すな」
と言い、血をぬぐったネクタイの剣先で、馬鹿にしたように軽く茶髪男の顔をピンタした。
「なんなんだよ、お前は。俺に何の恨みがあるってんだよ」
弱弱しく男が上目遣いで反論する。
「あの女、お前の女かよ」
「ちげーよ。俺はただ」
「ただ、なんだよ」
司は洗浄便器の「おしり」ボタンを押した。
「お前、何すんだよ。スーツが濡れるじゃねぇか」
便座から立とうとする男の前に仁王立ちになると、男は立つのを断念した。
そして器用に茶髪男のベルトのバックルを操作し、下着もろとも膝までさげる。
恐怖で萎えた茶髪男の肉棒が姿を現した。
「おめぇよ、茶髪で気取ってんなら、ここの毛も染めろ」
と言いながら革靴で肉棒を蹴る。
「ていうか、おめぇ何なんだよ。勘弁してくれよ」
「まずはおめぇのきたねぇケツ洗ってんだよ。見りゃわかんだろ」
「ただ、あのオンナのパンティの柄が見たかっただけだろうが。
俺、男の前でこんな格好させられたことねぇし」
「いいから黙れ。またやられてーのか?」
茶髪男は、3ピースの上着はそのままに、下半身だけ裸にさせたれた状態のまま動けずにいた。
お尻の洗浄音だけがむなしく響く。
「もう解放してくれよ。あのオンナに手を出したのは今日がはじめてなんだよ」
司は便器の「止める」ボタンを押すと、茶髪男のラペルを三度掴み、男を立ち上げて身体の向きを変えた。
「ここ掴め」
そう言うと、便器横、両サイドにある障がい者用の手すりに、男の手を掴まらせた。
「ちょっとはキレイになったかな」
言いながら、司は自分のファスナーを下ろし、太い肉棒を外気にさらす。
「今日の罪として、痛えのは我慢しろ」
肉棒を男の双丘の窪みへと突っ込んだ。
「ああああっ」
と暴れる男の肩を抑える。
「へ、変態か。痛えよ。やめろ」
「俺が何したってんだよ」
司の肉棒の根本が小さな穴に吸い込まれた時、強烈な痛みを覚える。
内出血を起こしたようで、司の肉棒に血がにじむ。
「おい、気持ちいいか?」
「殺す気か。勘弁してくれよ」
「文句言えんのか?また殴られてぇか」
「俺が何したってんだよ」
司は茶髪男のジャケットを脱がした。
3ピースのベストの裏地がサテンの赤で、それがまた司の怒りを誘う。
「てめえ、赤い裏地のベストで、あのオンナの気を引けるとでも思ったのか?」
「思ってねぇよ」
司はベストのサテン生地を鷲掴み、ピストン運動のスピードを上げる。
司の腰つきのスピードが最高になったころ、男はとうとう痛みで意識を失い、
便座の上にうつ伏せのまま倒れこんだ。
頂点に達した肉棒を穴から抜き出し、ピンクのワイシャツに掛からないように、
赤いベストの裏地目掛けて白濁を散らす
10秒弱の間、濃い白濁が裏地に幾何学模様を描く。
「一丁あがり」
司はそう言うと口角を上げながら、男を床に移動し、あおむけにした。
力づくでベストのボタンを引きちぎった後、ネクタイを一気に引き抜いて放り投げる。
スマホを取り出し、気を失ったままの茶髪男を撮影する。
下半身裸にピンクのワイシャツ一枚で、ボタンを上までぴっちりと留めたままの男が一枚の写真に収まった。
そのワイシャツは汗をしみ込んで濃いピンク色へと化していた。
そのボタンを、襟のボタンから丁寧に一つずつ外す。
最後にカフリンクも丁寧に外し、先ずは片袖、そして身体をうつ伏せにさせながら丁寧に反対側の袖も抜く。
「いいムスクのパフューム使ってやがんな」
襟のあたりについた汗のシミの匂いは、ムスクと男の匂いがまざった甘い匂いで、司の肉棒を刺激した。
気を失ったままの男の裸体の上に、ボタンの取れたベストとジャケット、ネクタイを投げ、
司は個室トイレを後にした。
「俺好みの生意気なボクちゃんだったぜ。このワイシャツ着て5回は抜けそうだぜ」
司はそう言いながら、勝ち取ったワイシャツをセーターのように背負い、両袖を手前で結び、混んだ駅の改札を出た。
男の香りと、さきほどまで突っ込んでやった男の体温を、肩にかけたピンクのワイシャツから感じとった司の肉棒は
しばらくのあいだ、体積を維持したままであった。
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