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その賢ちゃんの言葉は確かどこかで聞いたような言葉だったけれど、 なるほどそうかもしれないと私は思った。歳をいっぱい重ねてからのその言葉は、いっそう心に沁みる。私からしたら 賢ちゃんは私の半分で 二人が出会って一つになった ──。
でもこの考えは死んだマコちゃんの事を何だかなおざりにしてるように思えて、ちょっと心苦しい。
「マコちゃんに悪いかも」
と、また私は賢ちゃんを困らせる。
「……」
賢ちゃんは押し黙った。
「ごめんなさい。 今言ったことはなし」
賢ちゃんは天井を見上げて、ひと呼吸置いた。そして私の迷いを払拭するような満点回答を出してくれた。
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