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俺の前で笑うんじゃねぇ
そんな幸せそうな顔をして 二人で顔を見合わすな
俺は貴女より 貴女の事は知っている
結ばれないと理解してる
俺の事すら見ていない事も
貴女の笑顔を見るたびに
俺の心に無数の傷
ジワジワと絞りとる魂の血の液だまりの熱さは
今日も俺の笑顔を瀕死にさせる
貴女の全て 想い出までも
抱きしめて俺の物にしてしまいたいのに
貴女の心を掴んでいるのは
目の前にいる 俺の兄貴
今日も俺の前で 未来を語り 愛を響かせる
俺に向ける物とはちがう その笑顔で
俺の前で笑うんじゃねぇ
俺の心が貴女を選んだ理由の数など
兄貴の倍は言えるから
お願いだから もうやめてくれないか
裂ける程に胸が痛み
涙は焼けて枯渇する
だけど俺は 貴女をずっと側で見ていたい
愛しているという一言すら
死ぬまで言えないとわかっていても
白いパーカーは 赤黒く染まった俺の心を隠す囚人服
愛する貴女は間近で遠い
俺よ笑え、笑顔で隠せ
薔薇色の地獄に堕ちた この心を
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