君のいる世界でただ一つの

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 それから2日経った土曜日、日菜も咳以外の症状は落ち着いたし俺ももう大丈夫。 「洸ちゃん、今日の夕飯はシチュー食べたくない?」 「……それ日菜の好物じゃん。しかも俺に作れってことだろ」 「ゴホゴホッ、私もインフルエンザになんかかからなければ作ってあげたかったのですが、ゴホゴホ。不慮の事故により何方かからインフルエンザを注入されまして、ゴホゴホ」  注入?! ……、いい度胸だな、おい。  絶対何も言い返せるわけねえやつだもん、それ!!  顔面ヒクヒクしながらも。 「シチュー、了解、他何か願い事ある?」  注入とか、マジ何なの?言うなよ、恥ずかしすぎる。 「あるっちゃー、あります…、すっごく図々しいのだけど」 「日菜の願い事で図々しい以外のものある?」 「あるよ~!!! 多分……、でも今回のはいつもより割と図々しいかもと思っているので先に言っておかないと、と」  ヨイショと起き上がりベッドの上に正座して。  俺の目を真剣に見据えて。 「洸ちゃん、大変申し訳ないのですが、もうしばらくここに置いてはいただけないでしょうか?」  と土下座し始めた。  ま、待てまずは顔を上げろ。 「……や、意味わかんねえけど、」  だってまだ正式に出て行ったわけじゃなかったし?  あれ?もしかして出て行ってて本当はそれきりだった?とか? 「早く出て行った方がいいのかな~って、ちょっとばかしガールズバーっつうとこでバイトしてたのね、実は」 「ふうん?」  早く出て行った方がいい?  それはよくわからないけれどガールズバーでバイト、ってことはだ。  あのタバコの匂いだったり? 「ただここ数日熱出しててオヤスミ連絡も入れれなかったらね、クビです、って。伝言入っててね」  アハハと笑う日菜がその後ガックリと項垂れて。  !、もしかしてあの電話か?! 「というわけでOLの安月給しかないもので当初の予定通り1年はここに置いてもらえないでしょうか?」  と再度土下座をしてきたのだった。
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