ガーベラ

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そんな風に、彼との日常は幸せに過ぎていった。 物語みたいにキラキラしたエピソードも、どうしようもなく悲しい出来事も、ドラマチックな告白も、何も無かった。なんなら告白すらされていなかったりする。 自然と一緒にいる時間が増えて、それが当たり前になって、心地よくて、そんな関係に満足していた。 なんならプロポーズなんてなくてもいいってくらいには満足だった。 ずっとこれからも一緒なんだろうって思っていたし、そう信じていた。 「ね、幸せだね」 「んー?どうしたの?突然」 「幸せだなーって」 「ふふ、うん、幸せだねぇ」 「ずっとこのままいたいねぇ」 「んー・・・そう・・・だねぇ」 少しだけ曇った彼の表情が気になった。 でも、彼はそれからはいつも通りで、ほっとすると同時に、小さな違和感がどうしようもなく拭えないシミになって心に残っていた。
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