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今日の私、この間と違うでしょう? 私の姿見てどう思った? ねえケンジさん、私のこと見て…… 見て…… ない‼
ケンジさんは綺麗な私を無視して、私の飼っているハムスターを凝視していた。
「ユキちゃん、ハムスター飼ってるんだね。しかもゴールデンハムスターだ」
「うん、そうなの。最近飼い始めて」
今、確実に私と目が合ったのに……。髪型のこと、何も言わないのね。
悔しいけれどまあいいわ、仕方ない。一回会っただけだもの。あんまり覚えていなかったのかも。それとも、外見より内面を重視するタイプの人なのかもしれないわ。
「僕も昔飼ってたんだ。ゴールデンハムスターってね、野生下では絶滅危惧種なんだよ」
へえ。
「今ペットショップに出回ってるゴールデンハムスタ―ってね、元はシリアにいた一匹の雌のゴールデンハムスタ―の子孫なんだよ。だからユキちゃんちのこの子と僕の飼ってたゴル男は兄弟みたいなもんさ。ははは」
ふーん。
あんまり面白くない…… なんて返事しよう? とりあえず、これを言っとけば間違いないか。
男が喜ぶ褒め言葉3S「すごい」「さすが」「ステキ」
「すごーい! ケンジさんって物知りなんですね、さすがです。博識な人ってほんとステキ~!」
お、ケンジさん照れてる? イケメンな上に、はにかんだ顔が可愛い!
そうだ、忘れてた。お鍋の様子見にいかなきゃ。
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