犬の手と私の無知と日常。

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やっとドアが開き、あしの踵が痛いからすぐハイヒールを脱ぎ捨てて、ベッドにダイブした。 メイクを落とすのも面倒だ。 ふと鞄の中を見ると、スマホの画面が光っていた。 手にとって見ると、恋人から連絡が来ていた。 「アルバイトのバーテンダーの仕事が終わった。」 「今からそっち行っていい?」 「良い部屋見つけた」 「早く連絡して」 「何で早く返してくれないの?」 「女の子と呑んでいるの?」 という、メッセージと何だかよくわからない怒りマークのスタンプが5個。 私は不快ため息をついた。 何だかもう色々どうでも良くなってきた。 私には男友達が一人もいない。 そのことを恋人はよく知っている。 そのせいか恋人は私が誰かと遊ぶとなったら、とても気が気じゃないようだ。 もう2年の付き合いだが、月一の女子会に行くと言えば毎回嫌な顔をする。 きっと不安なのだろう。 わかっている。 私は大丈夫よ。と言う。 でも足りないみたいだ。 私の愛というものが本当に足りないのか。 それとも彼女が過敏なのか。 よくわからない。 また、顔を合わせると怒られるのだろうか。 そう思うと何だか気持ちが重くなった。 「あぁ・・・今こそまさに・・・」 私は一言。 『犬の手も借りたいわ』 とメッセージを送った。 end (読んで頂きありがとうございました。 誤字脱字・様々な感想お待ちしています。)
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