a coffee break

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「さてさて、次はどんな子なんだろうね」 「何の話」 冗談めかして言ってみる。くすりと笑う俺とは裏腹に、隣を歩く幼馴染みは不機嫌そうに眉を顰めた。 察しが良い癖にとぼけてやんの。何のことかわざわざ言わなくたって分かるだろうにさ。 「何って、お前の次の恋人の話」 「…もう、やめにしようかと思う」 「やめるって、何を?」 「彼女作んの」 「告白されても受け入れないってこと?」 「そうだな。まぁ、うん。そう」 「どうしたんだ急に」 今までは何てことのないようにさらっと受け入れてきた癖に。今更やめようなんて、変な話だ。本当に自分勝手な奴。 高校の頃から絶えず誰かと付き合い続けてきたこいつは、結局何がしたかったのか。 もしかして、うんめーのアイテとか探してたのかな。 それで余りに上手くいかなさ過ぎて、疲れちゃったのかな。 勉強でもスポーツでもさらっとこなすようでいて、実は人知れず努力を惜しまない根気のある性格のこいつが折れてしまうとは。 これは結構な一大事なのでは? しかし逆に考えれば、これで叶わない恋に張りぼての希望を抱かなくて済む子達が救われるのでは? だって付き合えたって結局は駄目になるじゃん。それで晴れてやっと俺の愚痴聞き役も無くなるじゃないか。 もうコーヒーが冷めるまで興味も無い他人の色恋沙汰を聞かなくてもいいじゃん。やったね。 …そういう考え方って最低かな。最低とまではいかなくても、あんま良かないかも。 「今までが間違ってた」 「今更気付いたんだ?遅ぇよバカ」 「いや、うん。否定しない」 「賢明だな」
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