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プロローグ
僕に空をくれたのは璃久だ。
いずれ天に向かう使命を担う羽の子供は、その年齢に達するまで空の青さを知らずに育つ。
僕もそうなる運命だった。璃久に出会うまでは。
璃久は空の他に僕に名前をくれた。そして世界の全てを。
美しいものも、悲しいものも、猫も、未来も、僕の世界は全て璃久がくれたもので出来ている。
眩しく儚く差し込む光に向かって、僕は歩きだす。
生きる事の全てを与えてくれた璃久に、空を返すために。
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