水商売からの旅立ち

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18歳で夜の仕事を覚え今年で6年目の春。 私は水商売から足を洗い陽の光の元、働く道を歩むことになる。 1人で暮らしていたアパートは妹達からの希望で退居し実家に戻ってきた。 正直、恥ずかしさもあったけど不思議と心は軽く温かかった。 私が思っていた以上に弟も妹達も、ずっと大人で会話をすることで彼らが今まで、どれほど寂しく悲しい思いの中、姉である私を慕っていたかを理解し目頭が熱くなる。 ――――私だけが大変な振りをして、こんな環境にいる自分が哀れだと可哀想だと思い込み悲劇のヒロイン気取りでいたのだ。
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