毒親

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毒親

私には弟と双子の妹がいる。 弟妹とは大分歳がはなれてる。 三人共、ほんとに可愛くて仕方ない唯一、大切だと思える存在だ。 父や母は育児放棄に近かった ‥‥ほんと今思えば文句の一つも言っとくべきだったな―――。 父の会社の経営が傾き、気づいた時には時既に遅し。最悪の状態で私達は家族はバラバラになった。 中学生だった弟達は児童相談所へ行く事になり、その後、3人は田舎の施設へ送られた。 両親と私は住んでいた埼玉から遠く離れた栃木県へ。持ちきれるだけの荷物を車いっぱいに詰め込んで夜逃げした。 大切な家族だったレオ(犬)を残して····· 鎖も繋いだままだった――――。 その後、三人で旅館で働きだした。 父は番頭さんとして 母と私は仲居さん 料理の配膳や片付け等々etc…。 そのうち私は若かったことや容姿が若旦那様に気に入られ、親の同意の元、ホテル内にある小さなバーを任されるようになった。 ―――その日から地獄が始まった 19歳の私は今まで何不自由なく育ち、世間知らずのお嬢さんだった。 激しいスキンシップに酔っ払った獣のような男性からの強引な口付け 吐き気がした。 自分の身体が知らない男性に汚されていくようで汚く思えてならなかった。 男性慣れしてなかった当時の私は、毎晩、枕を濡らして離れ離れになっている弟達を思い、負けるもんか!頑張ろう!って奮起してたと思う。 今、思い出しても泣けてくるよ·····。 当時の私は偉かったね。 褒めてあげたいよ。 親なんて、なんの役にも立たない。 大人なんて誰も助けてくれない。 その時はじめて私は親を親だと思わなくなった。 でも今は産んでくれたこと 弟妹を作ってくれたこと それだけは感謝してる。 家族と離れた私は自由に働いた。 昼夜逆転の生活を送っていた私は、家族と一緒に過ごす時間が少なくなり話をすることもなくなった。 弟妹には高校だけは無事に卒業させてあげたいと強く思ってたから、がむしゃらに働いた。 ·····親からしたら私は ただの働く道具だった。 ·····娘じゃなかったんだ。 抱き締めて欲しかった 褒めて欲しかった 人として認めて欲しかった 私の存在って·····なに?
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