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「今日も元気に明るく笑顔でお家時間を過ごしましょう!」
まるで幼稚園教員が幼稚園児を諭すようなことを大人に対しても言う御時世だ。俺を理解できる奴がいる筈はない。そう嘆く男の前にわしは飄々と現れて言った。
「わしは仙人じゃ。」
男は息を呑んで黙認した。
「わしはお前さんを見込みがあると見た。仕込み甲斐があるというものじゃ。」
「仕込む?」
「ああ、わしはお前さんを仙人にしようと思っとるのじゃ。」
「何故、私を?」
「お前さんがわしの心にデジャヴュを引き起こしたからじゃ。」
「デジャヴュ?」
「そうじゃ。ハッハッハ!」
わしは現代日本に於いてこんな男に出会えるとは努々思っとらんかったから頗る愉快になったのじゃ。
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