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メッセージ
スマホが鳴った。ベッドから手を伸ばし、徐に掴む。
"RINE 香澄:写真が送信されました"
通知を見て、思わず朗笑した。画面をタップし、アプリを起動させる。
目に飛び込んだのは、花の写真だ。色は白で、一つの枝から小さな花をたくさん咲かせている。
スクロールすると、いつも通り、そいつに関しての情報が綴られていた。
"名前はエリカ。花言葉は『博愛』。でも、色によってもそれぞれ言葉があるんだよ"
それから、更に下へとスクロール。完全にフリーなメッセージが表れた。
"そろそろ5日になるけど、体の方どう? 早く元気になって欲しいな"
優しさの滲む文章に、これまた一人笑む。
"俺もこんなに長引くと思わなかったよ 次行ったら色々ヤバそう"
"確かに、この時期に休むと大変かもね。でも大丈夫だよ、私がいる"
返信を見届けアプリを閉じた。室内がやや生温く感じ、少しだけ窓を開ける。春先の風が心地よく吹き込んだ。
少し先の未来を想像し、再び目を閉じた。
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