第25章 出発前の甘い夜1

15/20
前へ
/960ページ
次へ
もうだめと思うのに、だめじゃない身体になる。 自分もどうかしてるけど、でもそんな風にする彼にも悔しくなってしまう。 彼を確認すれば、驚いたような顔をしていた。 自分を求める動きも暫し止め、まじまじと凝視される。 「あ、えっと…」 思わず口にしてしまったけれど、流石にちょっとまずかっただろうか。 さっきのは言葉の綾-訂正しようとして、こちらを見詰める彼の双眸が不意に狭まった。 「そんな事初めて言われた」 愉快そうに笑われて、泉夏は焦ってしまう。 「ご、ごめんなさい。そんな風に今まで思った事もないけど…でもなんか大学の時の先生と少し、違うかなあって思ったり」 自分で言い出しといてなんだけど、急激に恥ずかしくなってしまう。 この話題はもう終わりにしようとすれば、逆に話を振られてきた。 「どんなところが違うって泉夏は思うの?」 「えっ…どんなって」 二度もは、なかなか言いにくい。
/960ページ

最初のコメントを投稿しよう!

582人が本棚に入れています
本棚に追加