8人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
そんなこんなで、再び怜華、美鶴、光、エミリーの四人で旅をすることになった。
と言っても、美鶴は何も言わないし、光は武器屋はないかとぼやいている。
怜華の、怜凛を探して欲しいと言う願いはどこにいったのか。
だが、それを聞く勇気は、怜華には無かった。
どこかよそよそしい空気のまま、この集団は吉原の道を歩いていた。
「そこのお方ら、ちょいと寄ってくんなぁ」
たまにそんな言葉をかけられる。
だが、光と美鶴が冷たい視線を投げることで相手は黙り込む。
だが、徐々にその二人が言葉を交わすようになっていった。
「お前、なんで双刀を持ってるんだ」
「……拝借した」
「なんだ。良い刀だったから、店があったら買おうかと思ったのに」
同じ強い人同士だからか、たしかに仲は良くなっている。
怜華が疎外感を感じてしばらく、一行は街の出入り口らしい門に辿り着いた。
だが、光と美鶴は足を止めた。
もうすでに眠りながら歩いているメアリーを引っ張っていた怜華は、門を眺める。
役人が見張っているようだ。
「厄介だな。美鶴、何か案はあるか?」
「……そうだな。おそらく、向こうは漢に通じる道なんだろう。だから、交代制で守るはず。なら、通らずにいけばいい」
最初のコメントを投稿しよう!