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「おい、美鶴!! 何をしてたんだ!!」
「すまない……。死角から刀を……」
怜華は言い合いの声で目を覚ました。
手甲を取り付けた腕を美鶴に突きつけている光。
紺色の道中羽織を身につけて、編み笠を被っている。
「そんなことを言うとる場合では無いように見えるがのぉ」
「だから子供がいるところで喫煙するな、遊女!」
女の人の声が混ざってきた。
怜華はゆっくりと顔を動かす。
そこには、いまにも散り散りになろうとしている煙があった。
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